第36回の九州肝臓外科研究会の当番世話人を拝命し、2015年1月31日(土)に会を開催させていただくことになりました。伝統ある本会の当番世話人にご指名いただき、心より感謝申し上げます。
これまでの幾多の先輩方が築かれた本会の歴史と伝統に支えられながら、3年前の第33回からは若手主体そして忌憚のない意見を出し合い切磋琢磨する会へと発展を遂げました。また、本会による多施設共同研究もその足跡を確かなものとしつつあります。このような取り組みをさらに発展させ、また身近な疑問や知恵を共有し日々の診療を向上させるべく、今回のテーマを「教学相長 〜小さな知恵やアイデアを共有する〜」とさせていただきました。これに沿って、6つのセッションテーマを上げました。
テーマ1.肝切除、肝移植におけるヒヤリハット・ニアミスを共有しよう、2.この症例をどうする?、3. 示唆に富むネガティブデータ、4.難治性胆汁漏に対する術中・術後の予防と治療、5.肝転移巣に対する肝切除の果たす役割と周術期(とくに術後)補助療法をどう考える?、6.その他
テーマ1と4では、皆様の経験や英知を共有できればと考えています。また施設なりの小さなアイデアでも構いません。テーマ2は、治療法に難渋した症例や選択枝が多いゆえに迷う症例を参加者全員で討議していただきます。テーマ3は、各施設でのこれまでの検討や試験により図らずも狙った結果は得られなかったものの、示唆に富むデータや多施設共同ならば可能性のあるデータをこの機会に提示いただき、共有したいと思います。次の多施設共同研究につながる可能性もあります。テーマ5では、Conversion例を含むH2~H3大腸癌肝転移例を中心に、肝切除と切除後補助療法を各施設どのように取り入れているかをお示しください。原発巣と異なり術後補助療法の明確な有効性は確立されていない状況であり、経験に基づいた議論を希望します。少数例でも歓迎です。テーマ6では、1〜5に該当しなかった診療上の問題点やアイデアを症例やビデオでお示し下さい。
会終了後は、肝臓外科を志す皆のつながりや友情を深めるために、懇親会も予定しております。活発な討議による実り多き研究会とするために、一人でも多くの先生方のご参加を賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。