第69回日本循環器心身医学会総会
会長挨拶
朔啓二郎
第69回日本循環器心身医学会総会
会長 朔 啓二郎
(福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授)

この度、第69回日本循環器心身医学会総会を主催させていただくこととなりました。本会は、昭和47年、循環器領域に心身医学(Psychosomatic Medicine)を導入・普及させるために設立され、平成15年より日本循環器心身医学会となり、今日に至ります。多くの心臓病患者さんは将来への不安や心の悩み、苦しみを抱えて日常を送られており、それらに対するケアが、患者さんの生活の質(QOL)や予後改善に非常に重要であると考えられます。

本会では、心臓疾患患者さんと家族の方々の心のケアを医師のみならず、関連領域の方々(看護師、保健師、心理士、音楽療法士、アロマセラピスト、アートセラピスト、栄養士、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師、作業療法士、理学療法士、ソーシャルワーカー、医学情報担当者等)とチームを作り、皆で考え実践していくことを目的としています。

今回、第69回目の総会では、特に「循環器心身医学の多様性を探求する」ことを主題としました。「災害とストレス」、「高度医療における心身医学」などのシンポジウムや、日本心臓リハビリテーション学会、国立精神・神経医療研究センター、国立循環器病センターとのジョイントプログラムなどを通して、循環器心身医学が果たし得る、更なる可能性について、広く研究発表や討論、講演などを行う予定としています。本学会は多くの職域の壁を越えて1つ目標に向かって新たな学際的領域を創造していくという観点から、既に極めて画期的なものであるといえますが、本会を通じて、更にその多様性・可能性が広がっていくことを願っています。

2012年6月吉日