来る平成29年2月5日(日)、福岡国際会議場におきまして、第七回透析運動療法研究会を開催いたします。今回の研究会では、透析患者への運動療法にとどまらず、心臓病や腎臓病患者のような内部障害患者への運動療法にも通じる、運動生理の基礎から運動療法の実際や課題まで一日で十二分に知識を深めていただけるプログラム内容になっています。多くの透析関係スタッフ、リハビリテーションスタッフの参加を心よりお待ちしています。
 さて、第一回透析運動療法研究会は平成23年2月福岡において開催されました。この開催に寄せて大平会長は「個々の患者の状態に適した運動の種類と量とが科学的に設定されて継続されていく仕組みが構築されていくであろうと期待している。当然、これらに安全性が加味されて、一定期間後に正しい評価が為される必要がある」と述べました。丁度時を同じくして日本腎臓病リハビリテーション学会も設立され、研究会、学会ともに腎臓病患者の元気なADLを支える運動療法・リハビリテーションの検討が行われています。
 研究会、学会が開始され発展してきた背景には慢性腎臓病患者(CKD)の増加と、患者年齢の高齢化や原疾患の変化(糖尿病患者の増加)に伴う合併症の増加によるCKD患者のADL、QOLの著しい低下があります。特に血液透析患者においては体力(運動耐容能=最高酸素摂取量)が心疾患患者や健常者と同様に予後規定因子であり、ADLおよび生命予後の改善のためには運動耐容能を向上させることが極めて重要と考えられるようになってきました。 また運動耐容能低下は、腎性貧血、尿毒症症状、心合併症、骨格筋変性など複数の要因によりますが、過剰な安静強化による骨格筋力低下も主要な要因と考えられます。従って適切な運動療法が透析患者の予後のみならずADL・QOLを向上させることが期待されます。
 もちろん透析患者への運動療法が効果をあげるためには、①適切な透析療法の継続②貧血やリン代謝など透析患者特有の病態に対する薬物療法コントロール③カルニチンなど透析によって除去される生体に必要な物質の補充④栄養状態の維持改善⑤長期透析に伴う心理的不安に対するアプローチ⑥心血管合併症の適切な管理などが基礎に求められることは当然です。つまり運動療法が効果を上げていくためには包括的なアプローチが重要であり、この点からもチーム医療が必須となると考えています。従って今回の研究会ではメインテーマを「運動療法の効果を上げるための工夫」といたしました。シンポジウムでは、運動療法の目的である患者さんのADL能力向上、QOL向上を確実なものにしていくために、運動療法の質の向上とともに、栄養や薬物療法の適切な管理、また心理面へのアプローチを含めた生活指導、さらに最も基本的には透析療法そのものについての工夫など、包括的アプローチテーマについて各演者にご議論いただきます。特別講演については、リハビリテーション医療の立場から北里大学松永篤彦教授に、透析医の立場からJCHO中京病院佐藤元美先生にお願いしています。また、運動処方の基礎を学べる講義とともに運動処方の実際を心肺運動負荷試験の実技を通じてお示しいたします。さらに先駆的に運動療法を行っている施設から運動療法の実際を動画で紹介するセッションも企画いたしました。
 福岡の2月は河豚をはじめとしてお魚のおいしい季節でもあります。おいしい食事でリフレッシュされ、活発な討論をすすめていただくよう、改めて全国からたくさんの参加をお待ちしています。

第7回透析運動療法研究会
会長 平松 義博